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ニュース&イベント: クライアント・アドバイザリー

トランプ政権、全品目に追加関税を発動

4.4.25
関連業務分野 商事/競争/取引

去る2025年4月2日水曜日、トランプ大統領は外国製品への追加関税を実施する新たな大統領令に署名しました。4月5日より、カナダとメキシコを除く全ての国からの輸入品に10%の「相互」追加関税が課されることとなります。そして、 4月9日には、日本に対しては24%、韓国に対しては26%、全てのEU加盟国に対しては20%、そして中国に対しては合計54%(すでに課されていた関税を含む)など、国ごとの関税が課されることとなります。
以下を含む一部の品目は、この「相互」関税の適用から除外されます。

1. 銅、医薬品、半導体、木材、地金並びに特定のエネルギーおよび鉱物製品。

2. 自動車。自動車については、4月3日よりすべての国について25%の輸入関税が課されることとなっており、自動車部品についても5月3日より同関税が課されることとなっています。現時点では、米国、メキシコおよびカナダ原産の自動車(および自動車部品)はこの関税の対象外となっていますが、将来的には、カナダとメキシコから輸出を行うにあたっては、米国産部分のみが追加関税の対象外となり、自動車または自動車部品の米国産部分を証明しなければならなくなると考えられます。

3. 鉄鋼、アルミニウム、および特定の派生物。これらの品目については、すでに、3月12日より、すべての国について25%の輸入関税が課されています。 従前存在した、1962年通商拡大法(Trade Expansion Act of 1962)232条に基づく鉄鋼・アルミニウム関税に関する適用除外・免除はすべて廃止されました。

4. カナダおよびメキシコ製品。これらの製品は、すでに別途、(ア)USMCA条約に準拠している場合、および(イ)上記「2」の自動車製品に該当しない場合を除き、25%の輸入関税が課されています。カナダからの特定のエネルギーの輸出については、関税率は10%に引き下げられます。

4月5日以降に米国への輸入を行う企業は、既存の契約を点検し、輸入関税の増額分について、売手・買手のいずれが責任を負うこととなっているかを確認すべきです。契約の内容によっては、価格の変更や関税の転嫁が可能となる場合があります。また、米国が仕向地となる国際的な売買取引に関する手続やドキュメンテーションを変更することも検討すべきです。 今般の「相互」関税により、伝統的に東南アジアの輸出国であった国々からの輸入品にも高い関税率が課せられることとなったため、通常行われるような生産プロセスやサプライチェーンの変更では、新たな輸入関税を回避することはできません。また、カナダやメキシコへの生産拠点の移行についても、米国市場への無関税でのアクセスは以前よりも困難になっています。

企業は、米国の新たな輸入関税による影響を軽減するための法務戦略を早急に策定する必要があります。

本稿についてのご質問は、佐藤嵩一郎弁護士(ksato@masudafunai.com)または当事務所の商事/競争/取引部門のメンバーまでお寄せください。

増田・舟井法律事務所は、米国でビジネスを展開する日本企業の代理を主な業務とする総合法律事務所です。
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