2024年5月14日、バイデン政権は180億ドル相当の中国製品の輸入に対する追加関税を発表しました。また、1974年通商法第301条を引用し、米国企業から中国企業に対する、中国企業にとって不当に有利な知的財産権の移転や、人為的に安価に設定された中国製品が市場にあふれていることなど、中国の不公正な貿易慣行に対する懸念を表明しました。同政権は(引き上げの対象とならない)中国製品に対する既存の関税は維持すると予想されています。
今回新たに引き上げられた関税には、中国から輸入される、特定の鉄鋼・アルミ製品(25%まで)、半導体(50%まで)、電気自動車(100%まで)、各種電池(25%まで)、太陽電池(50%まで)、海上クレーン(25%まで)、特定の医薬品(50%まで)に対する追加輸入関税が含まれます。これらの輸入関税の引き上げは、米国政権が半導体製造に使用される米国技術の中国への輸出を制限していること、および電気自動車の価格の引き下げを支援した中国政府の補助金についてEUが調査を続けていることと明確に呼応しています。
さらに、米国政権による今回の関税の引き上げは、特定の医薬品も対象としています。これは、米国政府がCOVID-19パンデミック時から依然として、中国製医薬品への依存を懸念しているためです。
米国政府は、これまで、米国内で類似品が入手できないことを理由に、輸入業者が関税の免除を申請することを認めてきました。そのような関税免除の詳細については、まだ今後決定される必要があります。当面の間、米国政府は、米国における製造業務を継続するために必要な特定の中国製機械については、輸入業者が関税の免除を申請することを認めています。
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