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パンデミック終息後の職場におけるメンタルヘルス: 雇用主が考慮すべき3つのポイント

7.19.22

概要

コロナウイルスの大流行は、私たちの心の健康 - メンタルヘルス- に大きな影響を及ぼしました。職場でも大切な人を失ったり、同僚、友人や家族とのつながりや快適な日常生活のリズムを失った人は少なくありません。ボストンカレッジの研究をはじめとする複数の研究によると、パンデミックが始まってから2020年11月までに、不安を感じる人は全体の50%、うつ病は全体の44%と、それぞれ2019年の6倍に当たるレベルに達しており、CDCの調査でも同じような結果が報告されています。中には「(パンデミックによって)失った不安」にかわって「正常(復帰)への不安」を感じる人も現れ、それには職場復帰への不安や、家族以外の他人とどう接したらいいのかわからないなどの不安が含まれるということです。パンデミック発生以来多くの雇用者が、従業員のメンタルヘルス問題が増加したと報告しています。このような状況の中で、従業員のメンタルヘルス問題について、雇用主はどのように対応すればよいのでしょうか。ここでは3つのポイントをご紹介します。

1. メンタルヘルスがそこなわれると、仕事のパフォーマンスが低下し、仕事の満足度が下がり、対人関係にも影響が及ぶ

メンタルヘルス問題に対しては、長い間社会的偏見がありましたが、実はメンタルヘルスの問題は従業員だけでなく、雇用主にも影響を及ぼします。欠勤の増加、生産性の低下、従業員の士気の低下などは、会社の業績に直接影響を及ぼします。さらに、従業員のメンタルヘルスに問題がある場合、ヒューマンエラーによる事故や離職の増加などが引き起こされる可能性もあります。世界保健機関(WHO)によると、うつ病と不安を原因とするだけでも、世界経済は生産性の低下によって年間約1兆ドルの損失をこうむっているということです。マクリーン病院心理学部長でハーバード大学医学部教授のフィリップ・G・レヴェンダスキー博士は「従業員のメンタルヘルスの向上に取り組むことは、雇用主にとって費用対効果が高く、従業員にとっても有益である」と述べています。従業員が精神疾患の効果的な治療を受けると、医療費の削減、生産性の向上、欠勤率の低下、心身障害者医療費の削減等の望ましい結果がもたらされるということです。

2. メンタルヘルスの重要性を認識する環境と明確な方針を用意する

精神疾患は「障害を持つアメリカ人に関する法(the Americans with Disability Act)」(ADA)の対象であるにもかかわらず、多くの従業員は自分の精神疾患について名乗り出ることを恐れ、その結果、本来得られるはずの支援を受ける貴重な機会を逃しているのが現状です。職場で、メンタルヘルスとそれが及ぼす影響の大きさをオープンに認識する方針を打ち出すことで、メンタルヘルス問題が生じても、従業員は不安なしにそれを口にし、取り組むことができます。また、管理職は「オープン・ドア」の方針によって、従業員に対しいつでもサポートの手を差し伸べる用意があることを示す必要があります。従業員支援プログラム(EAP)もメンタルヘルスの重要性をアピールする貴重なリソースで、パンデミック期間中、多くの企業が従業員を支援するためEAPその他のサービスを追加・拡大しました。雇用者としては、EAPやその他の自社プログラムを用いた従業員への継続的支援を検討すべきでしょう。

3. 特別な配慮を必要とするケースのために明確な方針と手続きを設定する

ADAの規定では、雇用者は会社にとって不当な困難が生じない限り、従業員のメンタル・ヘルスの問題に対して合理的な配慮をすることが義務付けられています。具体的には、従業員の仕事への集中力、他人との交流、コミュニケーション、食事・睡眠・自分自身の身の回りのケア、思考や感情の制御などといった「主要な生活活動」の能力が、そのまま放置すれば「大幅に制限」されるような精神疾患に対して、雇用主は合理的な配慮をしなければならないとされています。  

とくに管理職は、メンタルヘルスにかかわる懸念、または特別な配慮が必要とされる場合にどう対応すべきか理解しておくことが重要です。米国雇用機会均等委員会のガイドラインによると、従業員が雇用主に対し特別な配慮を希望する場合、ADAに言及したり「合理的な配慮」というADAの規定上の用語を使ったりする必要はなく、日常で使うわかりやすい言葉で希望を伝えればよいと強調されています。したがって、管理職は、特別な配慮が必要であるという事実、及びその要望が何であるのかをよく把握することが重要です。従業員に対して、特別な配慮を希望する場合の申出方法を明確に伝え、特別な配慮を図るための包括的かつ漏れのない手続きを設定し維持することによってADAへのコンプライアンスがより十全のものとなります。

メンタルヘルスに関する特別な配慮の例としては、休憩時間や勤務時間の変更(例:セラピーの予約時間に合わせて勤務スケジュールを組むなど)、静かなオフィス空間の提供、指揮監督方法の変更(例:口頭指示ではなく書面による指示など)、在宅勤務などが挙げられます。

ご質問等ありましたら、リーバナ・サックスまたは雇用・労働・福利厚生グループのメンバーまでお問い合せ下さい。

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