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ニュース&イベント: クライアント・アドバイザリー

米国輸出規制の域外適用に対抗するための中国のブロッキング規則: 日本企業の日米間および日中間貿易に及ぼす影響とは?

4.6.21
関連業務分野 商事/競争/取引

中国商務部が、今年初め、米国輸出規制に対するブロッキング規則(Blocking Rules)を公布しました。中国商務部が新たに設けた「外国法律および措置の不当な域外適用を阻止する規則」(以下「本ブロッキング規則」といいます)(MOFCOM Ord.1/2021)は、米国輸出規制には中国への武器禁輸および華為技術(ファーウェイ)社など中国ハイテク企業数社に対する禁輸が含まれているため、中国でかかる輸出規制を遵守することは違法であると定めています。

本ブロッキング規則が設けられたことにより、中国政府は中国企業に対し、特定の諸外国の輸出管理規制を遵守しないよう命じることができます。また、中国企業は、取引先である非中国系企業が中国で禁止されている輸出規制を遵守し続けた場合、かかる非中国系の取引先に訴訟を提起し、損害賠償を請求することができます。

米国以外の国の企業がこのようなブロッキング規則に懸念を抱くのは当然のことでしょう。しかし、米国政府および裁判所がこれまでに外国のブロッキング規則を認めた例はありません。しかも、本ブロッキング規則は、米国輸出規制への対抗措置としての効力をまったく備えていません。カナダや欧州連合(EU)が、該当管轄区の事業体と個人の資産が凍結されたり、または差し押さえられたりしないように施行したブロッキング規則とは異なり、中国のブロッキング規則は、米国政府による米国輸出規制に違反した外国企業のブラックリストへの追加を阻止することができません。すなわち、中国の顧客である(日本やドイツなどの)第三国の企業は、米国輸出規制への遵守を中止して、本ブロッキング規則の下で民事責任を問われないようにするのか、あるいは米国輸出規制の違反者であると米国政府に判断され、米国のテクノロジー製品の供給が完全に遮断される可能性があることを覚悟の上で、本ブロッキング規則に遵守することにするのか、いずれかの決断を迫られることになるでしょう。しかし結局のところ、中国で一社または複数の取引先から民事責任を問われることよりも、米国テクノロジーを利用できなくなることのほうが、はるかにダメージが大きいと考える企業が大多数なのではないでしょうか。

© 2021 Masuda, Funai, Eifert & Mitchell, Ltd. All rights reserved. 本書は、特定の事実や状況に関する法務アドバイスまたは法的見解に代わるものではありません。本書に含まれる内容は、情報の提供を目的としたものです。かかる情報を利用なさる場合は、弁護士にご相談の上、アドバイスに従ってください。本書は、広告物とみなされることもあります。