中国から製品や部品を米国に輸入する企業は、米国通商代表部(USTR)が発表した当該輸入品に課せられる25%の関税からの適用除外申請方法に注意を払っていただきたい。中国からの輸入品に対する適用除外を申請する者は、10月9日の申請期限を念頭に置きつつ、当該製品が中国からのみ入手可能であることのほか、追加関税が賦課されることで申請者(輸入者)自身、もしくは「米国のその他国益」に対し深刻な経済的損害が生じることを証明する必要がある。また、当該製品が中国の国家産業政策において戦略的重要性を有したり、かかる政策の一環として位置付けられたりするか否かについても説明する必要がある。さらに、適用除外を申請する製品について具体的に特定する一方で、その年間輸入量も提示しなくてはならない。
米国政府は7月6日、米通商法第301条に基づき、800品目を超える中国製品に対する関税賦課を開始した。既に公表されていた関税(リスト1)は、中国からの340億ドル相当の輸入品に対して25%の追加関税を課すものである。しかしながら、USTRはさらに追加する形で次の関税を発表した。
ちなみに、第二弾および第三弾のリストは現時点ではまだ発動されておらず、これらのリストに対する意見公募期間は、それぞれ7月末、8月中旬までとなっている。
なお、米国税関は、ビジネスの一環として中国からの輸入品を再輸出する予定である輸入者においては、米通商法第301条に基づく関税にかかわらず、関税の還付は可能であり、特定の再輸出品における関税の払戻しが認められると説明している。
中国製品に対する第301条関税の対象品を列挙するこれら3つのリストは、米国政府が今年賦課したその他の関税(下記を含む)とは別のものである。
米国政府は、様々な関税の適用除外申請を真摯に受け止めているものと思われ、米通商拡大法第232条に基づく関税の適用除外申請のいくつかを既に承認するに至っている。従って、中国から輸入する製品や原材料の代替品となる米国製品または第三国製品は存在しないと考える輸入者は、適用除外申請を前向きに検討されるべきであろう。
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