今週木曜日、米国通商代表部 (USTR) は、トランプ大統領が指示した7ヶ月におよぶ調査を終え、中国政府が自国の通商政策の一環として、米国企業の知的財産権を不当に侵害しているか否かについて結論を出した。中国はUSTRの優先監視国リストに毎年名を連ねており、中国の政策および慣行が米国企業の知的財産権を差別待遇していると結論付けられたことは驚くことではない。トランプ大統領は、1974年米通商法301条に基づき、2017年8月14日付で当該調査を命じていた。
トランプ大統領は、追加関税の対象となる中国製品のリストを準備するよう、USTRに直ちに指示した。USTRは、4月6日までに当該リストを完成させることになっている。各種メディアによる報道では、中国から米国市場への600億ドル相当の輸出品が当該リストの対象になる見込みと言われている。今回の最新の関税は、ほとんどの国から輸入される鉄鋼およびアルミニウムに対して今週導入予定の関税とは、完全に別物である。
中国製品を対象に賦課されるこれらの関税は、日本企業が米国市場で販売する製品の価格にも広範な影響を及ぼす可能性がある。例えば、米国企業が日本の売主から製品を購入した場合でも、米国の税関が当該製品の原産国は中国であると判断する場合には、当該新関税が賦課される恐れがある。これに類似する状況は、特定の鉄鋼およびアルミ製品を米国市場で販売する日本企業において既に発生している。トランプ大統領が提案する新たな関税に起因して発生しているこうした状況は、今後、鉄鋼およびアルミ以外のその他数多くの業界にも広がっていくものと思われる。
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