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ニュース&イベント: Immigration Monthly Updates

ビジネス移民法ニュース(2026年7月号)が発行されました。

7.20.26
関連業務分野 移民法

2027年度H1-Bビザ発給数、上限に達する

2026年7月17日、米国移民局(USCIS)は、2027年度の法定上限(65,000件の通常枠および修士号以上の学位取得者のための20,000件の特別枠(master's cap))に対し、十分な数のH-1Bビザ請願書(H1-B cap-subject petitions)を受け付けたことを発表しました。その結果、米国移民局は2027年度における2回目のH-1Bビザ抽選の実施を見送ることにしたことから、初回の登録プロセスで選出された雇用主の受益者(つまりは、H-1Bビザ候補者)のみが、上記の法定上限の下で請願書の審査を受けることになります。

登録プロセスで選出されなかった雇用主は、米国就労許可に関して別の選択肢を検討するか、または2027年3月上旬に開始予定の2028年度H-1Bビザ登録期間まで待機するになります。

B-1/B-2ビザ面接予約を早めに確保するための750ドルの手数料

米国国務省(DOS)は、特定のB-1ビザ(短期商用(Business Visitor)ビザ)およびB-2ビザ(短期観光(Visitor)ビザ)申請者が、750ドルの追加手数料を支払うことで、10営業日以内にビザ面接予約を確保することができるパイロットプログラムを実施します。当該手数料は面接予約毎ではなく、申請者毎に課されます。したがって、優先的なビザ面接の予約を希望する場合は、家族や同行者一名毎に、それぞれ750ドルの手数料を支払う必要があります。

本プログラムは、2026年12月31日まで、一部の米国大使館・領事館で利用可能である一方で、本プログラムへの参加は任意とされているため、各米国大使館・領事館は、現地の需要や面接枠の空き状況に基づき、本プログラム下でサービスを提供するか否かを判断することが許されています。なお、DOSは、本プログラムを提供する米国大使館・領事館の完全なリストの公表には至っていません。

750ドルの手数料には何が含まれますか?

本手数料は、ビザ面接予約の前倒しのみを範囲とするもので、以下は含まれません

  • 面接後のビザ審査期間の短縮
  • 追加審査やセキュリティチェックの迅速化
  • 標準的な機械読取式(MRV)ビザ申請手数料(現在、B-1/B-2ビザの場合は185ドル)
  • 相互主義手数料(reciprocity fee)

また、本手数料の支払いは、ビザ申請の認可を保証するものではないことに注意が必要です。

本プログラムはどのように機能しますか?

B-1/B-2ビザの申請者は、まず次の手順を踏む必要があります。

  1. CEAC:(Consular Electronic Application Center) ウェブサイトからオンラインでForm DS-160を作成・提出
  2. 必要なMRV手数料の支払い
  3. 通常のビザ面接の予約設定

米国大使館・大使館で優先的な面接枠が提供可能な場合、申請者には予約設定可能な面接日が表示されます。面接日時を選択すると、オンラインで750ドルの手数料支払いが完了するまで、当該予約はシステム上、一時的に保留されます(通常5~10分間)。なお、申請者がビザ面接に出席しなかった場合、ビザ申請が却下された場合、または申請を中止することにした場合であっても、本手数料は返金されません。

DOSは、2028年にロサンゼルスで開催されるオリンピック/パラリンピックに向けて、短期観光ビザの需要が増加することを見込み、本パイロットプログラムの実施に踏み出しました。

米国国土安全保障省(DHS)、移民を対象とした公的扶助受給者に絡む新規制を施行

米国国土安全保障省(DHS)は、2026年7月20日、米国の移民が「公的扶助受給者(public charge)」に該当しないことを証明するために満たすべき基準を定めた最終規則を発表しました。DHSは2025年11月19日に当該規則案を発表し、8,800件以上の意見が寄せられたものの、その大半は規則そのものに反対するものでした。 本規則は、2026年9月18日以降にUSCISが受領する永住権申請(Form I-485)および米国への入国申請(application for admission)に適用されることとなります。係属中の永住権申請については、2022年に導入された従来の枠組みに基づいて審査されます。

米国移民法の下、米国への移住を希望する個人は、米国およびその市民に対して経済的負担とならないことを立証することが求められます。本新規則の下、USCISの審査官は、関連性があると判断したあらゆる情報を検討し、永住権申請者が「公的扶助受給者」とみなされる法定基準を満たすかどうかを判断するうえで、より広範な裁量権を取り戻すこととなります。審査では、以下の点に重点が置かれます。

  • 個人の年齢、健康状態、家族の状況、資産、財源、経済状況、学歴、および技能
  • 当該個人が所得審査に基づく公的扶助(means-tested public benefit)を受けているか否か(このような公的扶助の受給は、あくまで一つの要素に過ぎず、それだけで自動的に「公的扶助受給者」と認定されるわけではありません。)
  • ビザ申請に関連すると考えられる個々の事案における特有の要素や状況
  • 当該個人の経済的自立に関連する実証データ

本規則は、DHSの審査を規定するものであり、2025年11月号の『ビジネス移民法ニュース(Business Immigration Monthly』で解説した通り、米国国務省(Department of State)は、在外公館における移民ビザ申請の審査にあたり、独自の「公的扶助の受給」ガイドラインを適用していることにご留意ください。

USCIS、署名に関する重要最新情報

2026年7月10日、USCISは、無効な署名がなされた移民関連の申請を却下または否認する権限を強化する重要な暫定最終規則を施行しました。

本規則によって導入された主な変更点は以下の通りです。

  • USCISは、署名が無効である申請について、単に却下するのではなく、否認することも可能となった。
  • 署名が不備であるとして却下された場合、申請手数料は返金されない場合がある。
  • 追加証拠要求(Request for Evidence)への回答を通じて、署名の不備を是正する機会は設けられていない 。
  • 本規則は、2026年7月10日以降に提出されたすべての申請に適用される。

なお、有効な署名には、手書きで署名された書類のスキャン画像が含まれます。また、本規則の下、USCISは何時でも原本の提出を要求できる権利を有しているため、署名済みの原本の保管が必要とされます。

一方、無効な署名には、PDFやその他の書類に電子的に追加されたスタンプや重ね合わせた署名、または筆記体で入力された氏名(typed names in cursive)などが含まれます。

雇用主に対する米国司法省(DOJ)の調査および制裁は継続中

米国司法省(DOJ)の移民・従業員権利課(IER)は、移民に関連する差別的な採用・雇用慣行について、雇用主に対する調査を引き続き積極的に行っています。

  • デジタルトランスフォーメーションサービスを専門とするテキサス州の企業であるCreative Team, LLCは、採用活動における市民権の有無に基づく差別疑惑を解決するため、民事上の罰金として4,730ドルを支払うことに合意しました。本件の調査は2025年2月6日に開始されました。
  • Whirlpool, LLCは、民事上の罰金として125,000ドルを支払い、Form I-9の遵守不備により職を失った従業員のために100,000ドルの補償基金を設立することに合意しました。2021年11月5日に開始された調査の結果、Whirlpool社は2年間にわたり、特定の非米国市民に対し、就労許可を証明するために必要以上の書類の提出を要求していたほか、合法的な永住者に対し、永住権カード(Permanent Resident Cards)が失効した際に、更新された証明の提示を不適切に求めていたことが判明しました。同社は、金銭的制裁に加え、3年間にわたり徹底したコンプライアンスの監視を受けることとなりました。また、同社は60日毎にForm I-9、E-Verifyの記録、監査報告書を提出したうえで審査を受けるとともに、人事担当者においてはForm I-9におけるコンプライアンスの要件の理解度について評価を受けることとなりました。
  • Diamondpick, Inc.(商号:Galent)は、同社が米国市民権の有無を理由に応募者を制限する求人広告を少なくとも30件掲載していたことがIERの調査で判明したことを受け、民事上の罰金として141,900ドルの支払いに合意しました。同社は今後2年間、採用および人材募集慣行において政府によるモニタリングの対象となります。

これらの事例を通して、雇用主がコンプライアンスを徹底し、差別的な慣行を回避する上で、採用、入社、およびI-9手続きの定期的な見直しが重要であることを今一度ご確認ください。更なる詳細は、当事務所ウェブサイトの「職場におけるコンプライアンス」ページをご覧ください。

プロジェクト・ファイアウォール最新情報:H-1Bビザ関連詐欺に関する調査の強化

2025年12月号の『ビジネス移民法ニュース(Business Immigration Monthly)』で取り上げた通り、「プロジェクト・ファイアウォール(Project Firewall)」は、特にH-1Bビザの採用プロセスにおいて、米国人労働者に不利益をもたらす可能性のある差別的な採用慣行に対抗するため、米国労働省(DOL)と雇用機会均等委員会(EEOC)が共同で開始した取り組みです。 2026年7月8日、DOLの監察総監室(OIG)は、H-1BビザおよびPERM労働認定プログラム(PERM labor certification programs)における不正、人身売買、虐待の疑いを対象とした大規模な調査を開始したことを発表しました。 同局によると、この調査は、虚偽の申請書の提出、賃金リベートスキームへの関与、強制的労働慣行による外国人労働者の搾取、および雇用ベースの移民制度を本来の目的を損なう形で上記ビザおよびプログラムを利用している疑いのある雇用主や雇用仲介業者に焦点を当てているとのことです。当該取り組みは、他の連邦法執行機関と連携して行われています。

今回の発表の一環として、OIGは全国的な啓発キャンペーンも開始し、ビザ関連の詐欺によって職を奪われたと考える米国人労働者、および搾取、ベンチング、不正な採用、賃金のキックバック、強制労働を経験した外国人に対し、OIGのホットラインを通じて違反の疑いを通報するよう呼びかけています。同局は、法執行措置の成功につながる情報提供者に対し、適用法に基づき報奨金やその他の特典が支給される可能性があるとしています。

本発表は、H-1BビザやPERMを取り入れている雇用主に対して新たな法的要件を課すものではないものの、雇用ベースの移民プログラムをめぐる調査および執行が大幅に強化されることを示唆しています。雇用主は、引き続きH-1BビザおよびPERMの規制を厳格に遵守し、正確な書類を整備するとともに、コンプライアンス上の懸念事項がある場合には速やかに対処することが求められます。また、米政権が表明した執行上の優先事項を踏まえると、外国人労働者をスポンサーする雇用主においては、採用慣行、賃金コンプライアンス、および移民に関する申請書類の正確性について、より厳しい審査が行われることを想定しておく必要があります。

*上記以外の移民法ニュースに関しては、英語版をご参照ください。

増田・舟井法律事務所は、米国でビジネスを展開する日本企業の代理を主な業務とする総合法律事務所です。
当事務所は、シカゴデトロイトロサンゼルス、およびシャンバーグに拠点を有しています。

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