訴訟最新情報:H-1Bビザ申請における10万ドルの手数料について
2025年9月、H-1Bビザプログラムの濫用を抑制し、専門職における米国人労働者の雇用喪失を防ぐことを目的とした大統領布告(Presidential Proclamation)の下、特定のH-1B申請に対して10万ドルの手数料が課されることとなりました。以来、当該手数料の合法性について、複数の州の連邦裁判所で訴訟が継続しています。
2026年6月8日、マサチューセッツ州連邦地方裁判所は、当該手数料が米国連邦議会による承認を受けていない税金として機能するものであり、行政機関にはこれを課す権限がないとして、当該手数料を無効とする判決を下しました。
しかし、米国政府はこの判決を受けて直ちに控訴し、2026年6月12日、裁判所は暫定的執行停止命令を発行し、米国政府が連邦控訴裁判所にさらなる救済措置を求める間、6月8日付の判決を一時的に停止しました。その結果、10万ドルの手数料は、当面の間、有効であり続けます。したがって、当該手数料に関して最終的な判決がなされる前にH-1Bビザの嘆願申請を行う雇用主は、引き続き当該手数料の支払いを想定するとともに、連邦裁判所における訴訟の行方を踏まえてビジネス上の決定を行う前に、担当の移民法弁護士に相談することをお勧めします。
今夏のビザ申請-手続き上の遅延に直面する可能性
夏の旅行シーズンが始まるにあたり、米国への渡航ビザを申請する方は、審査に遅延が生じる可能性を想定しておく必要があります。米国の在外公館は、優先事項を検討する中で、支援を必要とする在外米国市民へのサービス提供を最優先します。また、米国政府高官や要人が駐在国を訪問する際には、在外公館がビザ面接の予約枠を調整したり、提供するサービスの優先順位を見直したりする場合があります。
外国人に対するビザ審査に関しては、一般に、非移民ビザ(Non-immigrant Visa)の申請よりも、永住を目的とする移民ビザ(Immigrant Visa)の申請が優先されます。また、移民ビザのカテゴリー内では、養子縁組、「年齢制限」により資格を失うリスクのある申請者、特定の特別移民ビザ(Special Immigrant Visa)分類、および米国市民の直系親族のケースが、より高い優先順位を与えられることがよくあります。その結果、その他の家族ベースまたは就労ベースの移民ビザカテゴリーで、審査における待ち時間が長くなる可能性があります。
一方の非移民ビザの申請は、概して優先度が低くなるものの、米国領事館・大使館は、通常、外交・公用ビザカテゴリー(A、G、NATOビザ)、任務上不可欠な渡航者や緊急渡航者、学生(FおよびMビザ)、交換訪問者(Jビザ)を優先します。就労ベースの非移民ビザ(E、H、L、O、P、TNビザなど)や渡航用ビザ(B-1/B-2)を申請する場合は、審査および/またはビザ面接の予約に比較的長い待ち時間が生じる可能性があります。
米国大使館・領事館のビザ審査官は、すべてのビザ申請を徹底的に審査し、ビザ資格の要件を満たしているかを確認するとともに、国家安全保障上の懸念事項がないか特定することを義務付けられています。過去にビザ申請を却下されたことがあったり、米国で滞在期限を超過したことがあったり、いずれかの国で法執行機関と接触したことがあったり、入国不許可の免除を受けたことがあったり、または申請内容と面接内容に矛盾があったりする申請者は、より厳格な審査を受け、審査の遅延やビザ申請却下の可能性が高まることを念頭に置くべきでしょう。
加えて、ビザ審査官は、審査プロセスの一環として、申請者のソーシャルメディア上の公開情報を確認することが義務付けられています。就労ベースの非移民ビザを申請する方は、LinkedInなどのアカウント上の職歴(雇用主名、雇用期間、役職名、職務内容など)が、請願書に記載された情報と一致していることを確認することが極めて重要です。
なお、移民ビザまたは非移民ビザの申請者はいずれも、ビザ面接時に自身の事情を明確かつ簡潔に説明できるよう準備すべきです。申請者は、短い時間(多くの場合90秒未満)内に、「自身が誰であるか、何のビザを申請しており渡航の目的は何か、米国でどこに行くのか、いつ渡航し、どのくらい滞在する予定か、そしてなぜ米国へのビザが発給されるべきなのか」を明確に説明できなければなりません。
米国ビザへの需要が高まっていることを受け、米国国務省(DOS)は、特定の申請者が手数料を支払うことで面接予約を優先的に手配できるパイロットプログラムの導入を検討しています。このようなプログラムが正式に導入されるされることになった場合には、当該『ビジネス移民法ニュース』でさらなる詳細をお届けします。
*上記以外の移民法ニュースに関しては、英語版をご参照ください。
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