Skip to Main Content
ニュース&イベント: クライアント・アドバイザリー

企業透明性法:米国企業および米国人は報告義務から免除される(暫定最終規則)

3.25.25

2024年1月1日に施行された連邦法である企業透明性法(Corporate Transparency Act、以下「CTA」といいます。)は、企業の所有者に関する透明性を高めることで違法な金融活動を防止することを目的としています。CTAは、特定の企業に対し、企業の「実質的所有者」に関する情報(以下「実質的所有者情報」といいます。)を、米国財務省の金融犯罪取締ネットワーク(以下「FinCEN」といいます。)に提出することを義務付けています。  直接的もしくは間接的に企業の25%以上を所有ないし支配する個人、または直接的もしくは間接的に企業に対して実質的支配力を行使する個人が、「実質的所有者」に該当します。

2024年末以降、CTAの報告義務および報告書の提出期限に関して、いくつかの変更がなされました。2025年3月21日、FinCENは暫定最終規則を公表し、「国内報告会社(Domestic Reporting Company)」および「米国人(U.S. person)」の報告義務(既に提出している報告書の更新または訂正を含む)を廃止しました。 「国内報告会社(Domestic Reporting Company)」とは、米国の州法等に基づき、州務長官または同等の役所へ書類を提出することにより設立された米国企業を指し、「米国人(U.S. person)」とは、米国市民または米国永住権保持者を指します。

当該暫定最終規則によれば、報告義務の免除対象とならない外国報告会社(米国外の法律に基づき設立され、米国の州務長官または同等の役所に書類を提出することにより、事業登録された米国外の企業)のみが、非米国人(non-U.S. persons)(すなわち、米国市民・米国永住権保持者ではない者)の実質的所有者情報をFinCENに報告することを義務付けられています。そして、報告義務の免除対象とならない外国報告会社のうち、2025年3月21日以前に米国で事業登録を行った外国報告会社は、2025年4月20日までに報告書を提出しなければなりません。また、2025年3月21日以降に事業登録を行った外国報告会社は、事業登録から30暦日以内に初回の実質的所有者報告書を提出しなければなりません。

貴社にとっての意味

貴社が国内報告会社であり、且つ、報告書を提出済みまたは未提出の場合:

  • 報告書の提出は不要です。報告義務の免除にあたって必要となるアクションはありません。

貴社が外国報告会社であり、且つ、報告書が未提出の場合:

  • 2025年4月20日までに、貴社の実質的所有者情報を収集し、実質的所有者であるすべての非米国人について記載した報告書を提出する必要があります。

ネクストステップ

増田・舟井法律事務所は、引き続きCTAの動向を注視し、外国報告会社が実質的所有者を特定し、2025年4月20日の報告期限までに報告書を提出できるようご支援いたします。

なお、現在、第5巡回区控訴裁判所(以下「第5巡回区」といいます。)でも訴訟が係属中であり、第5巡回区がCTAおよびその強制力についてどのような判決を下すかは依然不明です。

お問い合わせ

CTAやその報告義務についてご質問がある場合、または報告書の提出に関してサポートが必要な場合は、当事務所までご連絡ください。

カール ヴォンドレイセン, パートナー弁護士・主任
(コーポレート・ファイナンス・M&A部門)
312.245.7500
kvondrathen@masudafunai.com

ジョシュア ウィルソン, アソシエイト弁護士
(コーポレート・ファイナンス ・M&A部門)
312.245.7500
jwilson@masudafunai.com

増田・舟井法律事務所は、米国でビジネスを展開する日本企業の代理を主な業務とする総合法律事務所です。
当事務所は、シカゴデトロイトロサンゼルス、およびシャンバーグに拠点を有しています。

© 2025 Masuda, Funai, Eifert & Mitchell, Ltd. All rights reserved. 本書は、特定の事実や状況に関する法務アドバイスまたは法的見解に代わるものではありません。本書に含まれる内容は、情報の提供を目的としたものです。かかる情報を利用なさる場合は、弁護士にご相談の上、アドバイスに従ってください。本書は、広告物とみなされることもあります。