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ニュース&イベント: Michigan Legal Update

ミシガン州リーガルアップデート

10.1.24

【重要なお知らせ ☝(その1)】 企業透明性法(CTA)に基づく報告書の提出期限が2025年1月1日に迫っています各企業においては同法の下での報告義務の有無を早急に確認する必要があります報告義務がありながらその義務を怠った企業に対しては罰則/罰金が科される可能性があります。

【重要なお知らせ☝(その2)】 ミシガン州の雇用主は、2025年2月21日施行の「取得型病気休暇法 (Earned Sick Time Act (ESTA)) 」および「従業員機会賃金改善法 (Improved Workforce Opportunity Wage Act (IWOWA)) 」 の下、 2025年から病気休暇の拡大と最低賃金の引き上げに対応しなくてはなりません。これらの法律の内容の把握および従業員ハンドブック/就業規則の見直しをまだ行っていないという雇用主においては、早目の対応をお勧めします。

サプライヤーに対して支払期限の先延ばしを要求する傾向-依然として自動車メーカーおよびティア1企業で継続

本ニュ ースレターの前号で簡単に触れた通り、自動車メーカ ーやティア1企業においては、ここ最近、サプライヤーに対して支払条件の変更や支払期限先延ばしを求める傾向が見られます。当事務所が実務上見る限り、当該傾向は、とりわけ相当な費用が必要となる電気自動車プログラムを実施または検討している自動車メーカーやティア1 企業において、依然として継続しているようです。サプライヤーが、このような要求を受けて自動車メーカーまたはティア1企業と交渉·協議を行う際には、一般に次の点について検討することを推奨します。

  1. 基本的事項:真っ先に検討すべき基本的事項としては、ケース・バイ・ケースで異なる可能性があるものの、次の3つが挙げられます。 (1) 自動車メーカーまたはティア1企業との全体的な関係(例:取引上の付き合いの長さ、自らの親会社またはグループ企業と当該自動車メーカー/ティア1企業との関係等)、(2) 自動車メーカーまたはティア1企業の顧客としての重要性、および (3)支払条件の変更や支払期限の先延ばしに同意した場合のサプライヤー自らの全体的なキャッシュフローへの影響。
  2. 支払条件の文書化: 支払条件の変更または支払期限の先延ばしに同意する場合には、支払条件の変更または支払期限先延ばしの具体的な内容を文書化し、各当事者の代表者(署名権限を有する者)から署名を得ることが重要です。当該文書は、変更後の支払期日が具体的にいつになるのか、また元々の支払条件がいつから再開されるのか等、支払条件のすべてを網羅すべきです。
  3. 供給条件に関する再交渉のチャンス: 自動車メーカーやティア1企業から支払条件の変更または支払期限の先延ばしを要求された場合、サプライヤーにとって不利な供給条件を再交渉する機会になり得ることがあります。自動車メーカーまたはティア1企業からの要求に応じることと引き換えに供給条件の改善について交渉余地があるか否か、検討してみるのも一つのオプションとなるかもしれません。

これらは、上述の状況で検討すべき事項の一例にすぎず、具体的な状況によっては上記以外の事項も検討が可能または必要となる可能性があることにご留意ください。

SMSの業務利用 - 日系企業のための注意点とは

個人携帯または社用携帯で同僚、クライアントまたは顧客とやりとりすることがより頻繁になったことで、業務上のショートメッセ-ジ(SMS)は欠かすことのできないコミュニケーション手段となっています。SMSやソシャルメディア(SNS)を通して業務を行うことは、今や多くの業界で常識とも考えられています。しかし、業務上送受信したSMSが、訴訟等の紛争で証拠として使用される可能性があることを的確に理解している人は少ないのではないでしょうか。

私共の経験上、SMSの業務利用に関してよく耳にする「誤解」のトップ3は次の通りです。

  1. 日本語 (またはその他外国語)で書かれたSMSは、米国の訴訟では証拠として使用されることはない

日本語を含め、外国語で書かれたSMSであっても、英語に翻訳され、 米国の裁判所で証拠として提出されたケースはこれまでに多々あります。英語ではないとの理由で、業務上交わした外国語のSMSが米国の訴訟から免除されることはありません。

  1. 削除されたSMSは、 「復元不可能」または米国の訴訟上「使用不可能」

削除したSMSは永久的に削除されるものと考える人は意外と多いものです。削除したSMSであっても、フォレンジック分析やバックアップを通じて復元されることがあり、それが紛争に関連するものである場合は、 裁判所で証拠として認められることがあります。 (なお、訴訟が予見されたり、または実際に開始したりした場合で、証拠保全を命じられたにもかかわらず、紛争に関連する情報·記録(SMSを含む)を削除する行為は厳しい罰則の対象となる可能性があるため、注意が必要です。)

  1. 個人携帯や個人アカウントから送受信されたSMSは、 ビジネス上の訴訟で証拠として使用されることはない

ビジネスに関するSMSが個人携帯でやりとりされた場合、従業員個人が所有するデバイスまたはアカウントであったとしても、当該SMSはディスカバリ(証拠開示手続き)の対象となり、相手方当事者に開示される可能性があります。

雇用主においては、こうした法的リスクを最小限に抑える観点から、SMSの業務使用に関する明確なガイドラインを設置し、個人携帯および社用携帯の使用、コミュニケーションの適切な保存、複数のプラットフォーム上の業務関連メッセージの取扱い等について規定すべきです。この ようなガイドラインは、企業および従業員の双方を予期しない法的影響から保護する上で役立ちます。

Form I-9コンプライアンス違反-罰金の引上げに注意!

雇用主は、米国内で従業員を雇用する際、Form I-9(就労資格証明書)を作成し、従業員の身元および就労資格の有無を確認するよう義務付けられています。これは、従業員が米国市民であるか否か、外国籍であるか否かにかかわらず、採用する各従業員に関して必須となる手続きです。

2024年より、雇用主によるForm I-9コンプライアンス違反に対する罰金が、一部大幅に引き上げられました。主な引上げは次の通りです。

Form I-9の書類そのものに関する違反:

Form I-9の適切な作成もしくは保管を怠ったり、または当局による監査時にForm I-9を提示できなかったりした場合の罰金は、書類1件につき$281~$2,789の範囲に引上げ。

不法就労者を意図的に雇用したことによる違反:

  • 初回の違反に対する罰金: 不法就労者1名につき、$698~$5,579の範囲に引上げ
  • 2回目の違反に対する罰金: 不法就労者1名につき、$5,579~$13,946の範囲に引上げ
  • 3回目以降の違反に対する罰金: 不法就労者1名につき、$8,369~$27,894の範囲に引上げ

移民法上および米国市民権のステータスに基づく差別または提示書類に絡む不当な対応:

  • 移民法上および米国市民権のステータスに基づく差別に対する罰金は、差別を受けた従業員ごとに$230~$2,304の範囲に引上げ
  • 提示書類に絡む不当な対応(例:身元および就労許可を証明するに十分とされている書類以外の書類の提示を要求する、合理的に真正と思われる書類を拒否する等)に対する罰金は、初回の違反で書類1件につき$575~$4,610の範囲の引上げ。また、違反を重ねるごとに罰金が増額。

Form I-9コンプライアンス違反に絡む罰金を回避するために雇用主ができることとは?

  1. Form I-9に関する社内プロセスの定期的な見直し
  2. 専門家を関与させた内部監査の実施
  3. 人事担当者への定期的なトレーニングの実施

Form I-9に関する更なる詳細については、雇用労働法に精通する弁護士にご相談ください。

グリーンカード抽選プログラム(Diversity Visa Program)の応募受付開始

2026年度グリーンカード抽選プログラムの応募受付が開始しました。今年の応募期間は、米国東部時間の2024年10月2日 (水)正午~2024年11月5日(火)正午の34日間です。

当該プログラムは米国の多様性の促進を目的とするもので、米国への移民率が低い国々に対し、毎年合計55,000件のグリーンカードの発行を可能にします。応募者は、応募期間中にオンラインで申請する必要があり、抽選の結果については翌年の5月に発表となります。その後、当選者はグリーンカード申請の権利を得ることになるわけですが、応募を検討されている方は、一年に一度のチャンスを逃さぬよう、応募期間にくれぐれもご注意ください。なお、抽選の応募はオンライン上の応募フォームの各質問事項に回答することで完了可能です。当該プログラムに関するご質問・ご不明点等ございましたら、いつでもお気軽に当事務所までお問い合わせください。

増田・舟井法律事務所は、米国でビジネスを展開する日本企業の代理を主な業務とする総合法律事務所です。
当事務所は、シカゴデトロイトロサンゼルス、およびシャンバーグに拠点を有しています。

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