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ニュース&イベント: クライアント・アドバイザリー

Amazon.comにおける商標の保護: 外資系企業が心掛けておくべきこと

9.30.24
関連業務分野 知的財産テクノロジー

絶えずデジタル化が進む市場において、自社のブランドや知的財産を偽造や侵害から保護することは企業にとって極めて重要です。Amazon Brand Registry(以下「Brand Registry」といいます)は、Amazon.comという最大規模のオンライン・マーケットプレイスにおいて、企業が自社の商標を保護するために利用できるツールの1つです。

Brand Registryは、登録商標を保有する、または商標登録を出願中の企業に対して、Amazonが提供する無料のサービスです。自社の登録商標または出願中の商標をBrand Registryに登録する企業は、Amazonによる自動保護機能を享受することができます。この機能により新規商品の出品がスキャンされ、問題のある出品は掲載される前に停止されます。また、Brand Registryに加入した企業は、Amazonのカタログを監視し、権利侵害とみられる出品を発見した場合には、Amazonに報告し、削除を求めることができます。Brand Registryをするためには、Amazonの出品者である必要はありません。このBrand Registryは、Amazonにおいて、企業が自社のブランドを監視し、保護するための有効かつ効率的な手段です。

すでにAmazonのBrand Registryをしている企業は、かかる企業が、Brand Registryに登録した商標の使用権を実際に有しているか否かを、Amazonが定期的に監査していることを認識しておくべきです。特定の状況において、企業は、使用権を付与されている他社の商標について、Brand Registryをすることがあります。これは、外国企業を親会社に持つ米国子会社が、親会社が保有する商標をBrand Registryに登録する場合によく見られるケースです。このような場合、Amazonは監査を通じて、米国子会社のBrand Registryアカウントを注視し、米国子会社に親会社の商標の使用権が付与されていることを証明するように要求します。Amazonは、米国子会社に対して、30日の期間(延長不可)を与え、当該期間内に、商標の使用権を親会社から付与されていることを証明することを要求します。米国子会社が、30日以内にかかる商標の使用権を証明できない場合は、当該企業は、AmazonのBrand Registryリストから削除され、将来においてもAmazonまたはBrand Registryの使用を禁じられます。上記のようなケースにおいて、米国子会社は、外国親会社の商標の使用について暗黙の権利または了解を得ていると考えるかもしれませんが、Amazonは、米国子会社のBrand Registryを維持するために、かかる商標の明示的な使用権の証明を求めます。

したがって、外国企業を親会社に持つ米国子会社が、AmazonのBrand Registryを利用してブランドや商標を保護しようとする場合は、Brand Registryに登録した商標の権利関係を確認し、外国親会社から付与された商標の使用権をどのように証明すべきか決定するなどの事前措置を講じて、Amazonの監査に備えておくことをお勧めいたします。

本稿の内容に関して、ご不明な点がございましたら、貴案件の担当弁護士または知的財産テクノロジー部門のメンバーまでご連絡ください。

増田・舟井法律事務所は、米国でビジネスを展開する日本企業の代理を主な業務とする総合法律事務所です。
当事務所は、シカゴデトロイトロサンゼルス、およびシャンバーグに拠点を有しています。

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