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ニュース&イベント: クライアント・アドバイザリー

米国企業透明性法・詐欺被害に遭わないために

2.14.24

Corporate Transparency Act (CTA). 米国企業透明性法(Corporate Transparency Act又は「CTA」)が2024年1月1日に施行され、米国内で事業を行う多くの企業は、米国財務省金融犯罪捜査網(The Treasury Department’s Financial Crimes Enforcement Network又は「FinCEN」)に対し、実質的所有者情報報告書(Beneficial Ownership Information Report又は「BOI Report」)を通して事業体の所有者情報を報告する義務を負うことになりました。(弊所の2023年12月のCTAの記事はこちら:here

企業透明性法は、CTAの報告義務を免除されない全ての「報告会社」に対して実質的所有者情報報告書を提出するようを要求します。「報告会社」とは、米国の州務長官等に書類を提出することにより設立された米国企業(株式会社、有限責任会社を含む。)及び、米国外の法律に基づいて設立され、かつ、米国の州務長官等に書類を提出することにより事業登録をされている米国外企業を指します。

最近の詐欺手口. CTAの施行に伴い、多くの詐欺師が政府機関になりすまして、企業に対して実質的所有者情報報告書を提出するよう求める偽の手紙やメールを送り付け始めました。このような詐欺師は「United States Business Regulations Department」、「Corporate Transparency Act Division, Process and Filing Center」等の名前を使用して手紙やメールを送ってくることがあります。また、そのような手紙などに「Important Compliance Notice」や「Mandatory Beneficial Ownership Reporting」という表題が使われている場合もあります。

さらに、これらの手紙やメールは米国内国歳入庁の税務書類に似せて作られていたり、あるいは、企業に対して、ウェブサイトへのアクセスや、QRコードのスキャンを求めたりすることがあります。また、これらの手紙やメールは、企業に対して、短時間内に返信を求めたり、小切手や為替による支払いを要求することもあります。

不審な手紙・メールが届いたときの対応. 実質的所有者情報報告を求める手紙やメール等が届いた場合、それに対して返信したり、メール内のQRコードをスキャンしたり、リンクをクリックしたりすることは絶対にしないでください。FinCENは、企業の承諾なく、実質的所有者情報を直接求めたり、BOI Reportの提出を義務付けたりする連絡を送ることはありません。

実質的所有者情報報告書の提出先. CTAの報告義務を免除されない全ての「報告会社」は「https://www.fincen.gov/boi」で実質的所有者情報報告書を提出して下さい。

CTAに基づく報告義務の有無が不明であれば. 手紙やメールが詐欺であるか、貴社が報告義務を負うか、または、誰が貴社の「実質的所有者」に当たるかの判断は、それぞれの企業の状況によって異なるため、確定するのが難しい場合があります。そのため、ご不明な点等がございましたら、ジョシュア・ウィルソン弁護士(jwilson@masudafunai.com)、ジェニファー・ワトソン弁護士(jwatson@masudafunai.com)、又はコーポレート・ファイナンス・M&A業務分野の弁護士にご連絡ください。

また、実質的所有者情報報告書の作成および提出に関する案内については、FinCENのウェブサイトをご覧ください(link)。

増田・舟井法律事務所は、米国でビジネスを展開する日本企業の代理を主な業務とする総合法律事務所です。
当事務所は、シカゴデトロイトロサンゼルス、およびシャンバーグに拠点を有しています。

© 2024 Masuda, Funai, Eifert & Mitchell, Ltd. All rights reserved. 本書は、特定の事実や状況に関する法務アドバイスまたは法的見解に代わるものではありません。本書に含まれる内容は、情報の提供を目的としたものです。かかる情報を利用なさる場合は、弁護士にご相談の上、アドバイスに従ってください。本書は、広告物とみなされることもあります。