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ニュース&イベント: クライアント・アドバイザリー

商事訴訟および紛争処理に関して考慮すべきことトップ3

3.30.22
関連業務分野 訴訟

サプライチェーンの混乱に起因した契約違反から生じた請求に対する防御

2021年から多岐にわたる産業でサプライチェーンに多くの大混乱が生じていますが、この混乱が近日中に減少する様子は見えません。これは、製品を契約の納期までに納入するように催促される米国の製造・流通業者が、ますますプレッシャーに直面していることを意味します。

多くの企業が、新型コロナウイルス・パンデミック(以下「パンデミック」といいます)の初期段階で、契約の強制を求めて訴訟を提起するのに消極的であり、また、ほとんどの米国裁判所では、2020年から2021年前半までは、裁判所の通常機能を全面的に縮小または停止していました。

しかしパンデミックも3年目に突入し、この2年間ずっとビジネス活動の支障となってきた品物不足に企業が痺れを切らしたのか、ここ数か月間で訴訟リスクと商業訴訟の件数が増えています。多くの企業は、何か月も前に、あるいは1年以上前に納入の約束をしていた商品やサービスについて、もはや「順番待ち」をする気にはなれなくっています。

企業は、顧客から納期遅れや製品不足を理由に請求を受けた場合に備えておくべきです。このような請求に対して会社を防御するには、会社の重要な取引関係(たとえ長年続いてきた取引関係であっても)を見直し、誓約事項が多すぎないように、可能な場合には契約内容を修正する必要があります。最も重要なことは、もし顧客が貴社に対して訴訟の提起や仲裁の申立てをほのめかし、脅し始めた場合は、実際に訴訟が提起される前に、できるだけ早く弁護士に相談して、効果的な防御策を講じることが不可欠となります。ビジネスと訴訟にとっては、タイミングがすべてです。

訴訟手続きが開始される前に、貴社には何ができるのか、訴訟専門弁護士に相談して、話し合っておくことをお勧めいたします。

コンピュータ・ファイルやシステムのサイバー攻撃に起因した請求に対する防御

米国では、非上場企業やビジネスに対するハッキングやフィッシングによる詐欺被害の件数が相当数に上っています。そのような詐欺の規模や程度はさまざまですが、たとえただのフィッシング詐欺であっても、その手口が成功すれば、貴社は、契約違反または州のプライバシー法違反を理由に、顧客やサプライヤーから訴えられる可能性があります。

最も一般的なフィッシング詐欺の1つに、長年取引を行っているサプライヤーから請求書の支払方法の変更をリクエストするEメールが届くというものがあります。もちろん、そのEメールの差出人は、本当のサプライヤーではなく、サプライヤーを偽ったフィッシングメールの送信者です。激務に追われる会社が、このような詐欺の犠牲となるのは非常に簡単であり、ハッカーはその策略に成功すれば、正体が暴かれるまで異なるサプライヤーを偽称し請求書を発行し続けます。

このような詐欺は何十種類もあります。ほとんどの場合、ハッカーが、実際に会社のコンピュータ・ファイルをハッキングする必要はなく、Eメールアドレスと電話があれば十分です。

通常、米国警察の手が届きにくい遠距離から仕掛けられる、より巧妙なサイバー攻撃は、会社のコンピュータ・システムやファイルのハッキングを必要とします。そのようなハッキングは、想像以上に短時間で達成されることが多く、ハッカーは、会社のシステムと財務データや顧客情報が保存された機密ファイルをコントロールするために、システム上脆弱な箇所へのアクセス手段を見つけるだけでよいのです。そして、ハッカーは会社のシステム利用者をシステムからロックアウトし、身代金(ransom)を支払われなければ、会社の極秘情報を公表すると脅してきます。

進行中のサイバー犯罪事件を管理し、個人情報の漏洩が生じた場合に起こり得る訴訟、または顧客やサプライヤーに支出や損害が生じた場合の請求に、企業が迅速に対処することは、その評判を守り、場合によっては企業の存続のために不可欠です。

サイバー攻撃から貴社を保護するだけでなく、被害に遭った場合は直後に生じる請求に対しても貴社を防御できるように、今から準備が整っているか確認しておくことをお勧めいたします。

競業避止契約および勧誘禁止契約を強制し、従業員を防衛するための訴訟

労働市場が非常に逼迫しているということは、今後も引き続き企業が競合他社に貴重な従業員を奪われやすいことを意味しています。また、従業員が会社を辞めることによって、会社の得意先や主要サプライヤーとの取引関係にも悪影響が及ぼされるだけでなく、会社の機密情報が開示される危険性も生じます。企業は、従来、「競業避止契約、勧誘禁止契約および秘密保持契約」を通して従業員が競業相手に「引き抜かれた」場合の自社の保護に努めてきました。米国ではそれらの契約を強制するための訴訟件数が増加していますが、従業員が辞職した後に当該契約を強制するためのアプローチは、州により異なっており、統一されていません。

そして、おそらくパンデミックという状況に鑑みて、裁判所によってはかかる契約の強制を支持しない傾向にあるように見受けられます。貴社の競業相手に転職することを禁じ、さらに貴社の取引先であった顧客の勧誘を禁ずるという元従業員との合意を強制するか否かについて裁判所が決定する際には、数多くの要因が影響してくるでしょう。しかし、貴社は、従業員が実際に辞職する前に、これらの要因について検討しておかなければなりません。

貴社は、従業員の「競業避止契約/勧誘禁止契約」ならびに顧客との取引関係および秘密情報の保護に関する貴社の慣行を毎年見直す必要があります。特に今年2022年には、企業に対して制約的な新しい法律を施行・実施し、遵守しない企業には罰則を科す州もあるため、特にそのような見直しが必要となります。

貴社の慣行および従業員との契約の見直しや変更の可能性を検討する際には、かかる従業員との契約が裁判所に認識され、強制されるものとなるように、弁護士の支援とアドバイスを受けることをお勧めいたします。

本稿のトピックまたは訴訟問題の詳細については、当事務所で貴社の法務サービスを担当する弁護士、または訴訟部門の弁護士までご連絡ください。

© 2022 Masuda, Funai, Eifert & Mitchell, Ltd. All rights reserved. 本書は、特定の事実や状況に関する法務アドバイスまたは法的見解に代わるものではありません。本書に含まれる内容は、情報の提供を目的としたものです。かかる情報を利用なさる場合は、弁護士にご相談の上、アドバイスに従ってください。本書は、広告物とみなされることもあります。