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米国国務省、特定の非移民ビザに対する制限に新たな例外規定を追加

8.13.20
関連業務分野 移民法

概要


2020月6月22日に大統領の布告が出され、特定のH-1B、H-2B、J-1、L-1非移民就労ビザ申請者に対するビザ発給の停止が発表されました。その後2020年8月12日、米国国務省(Department of State)(「国務省」)は、さらにかかる布告内容に新たな例外規定を加えたことを正式に示す政策指針(「ポリシー(メモランダム)」)を発行しました。

2020月6月22日付の大統領布告により、2020月12月31日まで、H-1B、H-2B、J-1、L-1ビザの発給が停止されました。ただし、2020月6月24日までに有効なビザまたは他の必要書類を取得している渡航者は対象外となりますす。本布告により、特定の制限付き例外免除条項が加えられましたが、事実上、米国会社で必要な従業員を米国へ派遣しようとする企業の計画が阻止され、ビザ保持者が領事館で行うべきビザ更新手続きが阻止されました。

大統領は、本布告の目的は、米国内の雇用維持であると説明していますが、案の定、本布告が与える影響はまさにその逆と言えるでしょう。本布告により、雇用機会を創出する雇用者側の地位に就く予定であった経営幹部、管理職および特定の熟練技能を持つ専門家の渡米が妨げられることとなりました。したがって、本布告が出されてから何週間もの間、その内容を明確にしようと数々の会議が開かれ、ツイートでも論議が交わされてきました。あいにく、ツイートは規則ではありませんから、それに依拠することはできません。

本布告でも、医療・公衆衛生機関または米国政府機関における職務従事者に入国を許可する例外規定が設けられていましたが、8月12日に発行されたポリシーメモランダムは、かかる例外規定について、いくつかの重要点を明確にしています。

  1. ポリシーは、2020月6月24日時点で、米国に滞在している者、またはすでにビザ更新手続きを済ませ有効なビザを保持している者を例外規定の対象とみなしているようです。ポリシーは、次のように定めています。

「本布告発効日(6月24日)時点で米国に滞在する者、前述の分類の有効なビザを保持する(および同ビザを取得して米国に入国する予定である)者、または同布告発効日に有効かつ正式な別の渡航文書を保持している者は、本布告の制限対象とはなりません。H-1B、H-2B、J-1、L-1非移民就労ビザが本布告の対象外とみなされる場合、申請者本人またはその配偶者や子供のビザ取得においても、本布告の影響を受けることはありません。国務省は、適用されるすべての法律および規則に従い、米国国土安全保障省(Department of Homeland Security)および提携機関と協力し合って、本布告の決定事項を適切に実施することを約束しています。」

  1. H-1B(特殊技能職)非移民ビザに関して、ポリシーの下では、前述の医療(ヘルスケア)分野、コロナ感染研究または政府機関に従事する専門家に加え、すでに前回米国に入国したときと同じ米国雇用主の下で、前回と同様のビザにより、任務を継続して遂行するためにビザ申請をする者、あるいは「米国の経済復興を促進する業務」に不可欠とみなされる者が渡航目的でビザ申請をする場合、特定条件を満たすことを証明すれば、本布告の対象外とみなされるようです。

  1. L-1A(企業内転勤/経営幹部または管理職)ビザに関しても、ポリシーは、同様に前回米国に入国したときと同じ米国雇用主の下で、前回と同様のビザにより、任務を継続して遂行するためにビザ申請をする者には、入国を許可しています。さらに、ポリシーは、「重要なインフラストラクチャー業界」において、会社の主要なビジネス・ニーズを満たす役割を果たす「上級経営幹部または上級管理職」に対して新たに発給されるビザの申請も許可しているようです。重要なインフラストラクチャー業界という定義には、「科学、通信、ダム、防衛産業基盤、緊急(通報)サービス、エネルギー、金融サービス、食品産業・農業、政府機関、医療(ヘルスケア)・公衆衛生機関、情報技術、原子炉、輸送業および水施設」の分野が含まれます。L-1Aビザ申請者は、ビザ取得資格を証明するために、次のうち2つの条件を満たさなければなりません。

a. (申請者は)上級経営幹部または上級管理職の地位に就く。

b. (申請者は)その雇用主の海外拠点で長年勤務した経験を有し、組織内で相当の知識と専門技術を身につけているため、雇用主が、かかる知識や技術を社内の別の従業員に新たに引き継がせるには、多大なトレーニングを要し、結果的に財政的負担を被るような場合。または、

c. (申請者は)雇用主(会社)が重要なインフラストラクチャー業界のニーズを満たすため不可欠な、かつ主要ビジネス・ニーズに適った人材である。

  1. L-1B(企業内転勤/専門技術職)ビザに関しても、ポリシーは、前回米国に入国したときと同じ米国雇用主の下で、前回と同様のビザ分類により、任務を継続して遂行するためにビザ申請をする者には、入国を許可しています。繰り返しますが、申請者が、重要なインフラストラクチャー業界のニーズ(前述で定義)を満たすために不可欠な人材であり、次のすべての条件を満たす場合は、L-1Bビザを申請できます。

a. 申請者が米国で計画される内容の職務と専門知識を提供することにより、同申請者が雇用主(申請会社)に重要かつ独特の貢献をすることになる。

b. 申請者の専門知識は、重要なインフラストラクチャー業界で必要とされることが明確。

c. 申請者は、その雇用主の海外拠点で長年勤務した経験を有し、組織内で相当の知識と専門技術を身につけているため、雇用主が、かかる知識や技術を社内の別の従業員に新たに引き継がせるには、多大なトレーニングを要し、結果的に財政的負担を被るような場合。

H-2B(熟練・非熟練労働者)ビザおよびJ-1(交流訪問者)ビザに関しても同様の規定があります。前述の内容は、特に、米国で多数の従業員を雇用する多国籍企業に適用されます。

このような例外規定を設けることにより、国務省が、移民国籍法、移民規則または国務省規則には含まれないビザ関連の追加的必要条件を、ポリシーメモランダムの中で記載していることに注意すべきです。これは当事務所の見解ですが、本布告の根本的な内容を無効とするために、議会を相手に数々の訴訟が提起されたとしても、米国議会は、ポリシーメモランダムを発行しておくことによって、かかる訴訟が実際に争議に値しないものであることを主張できる余地を残しているようです。しかし、ポリシーが設けられたことで、本布告が出された当初耳にした、ビザ発給の全面的な停止ニュースに対する不安感は、いくぶん軽減されたのではないでしょうか。

本稿には、本ポリシーメモランダムの引用箇所が多く含まれていますが、本メモランダムの詳細をご覧になりたい方は、こちらをクリックしてください(link)。

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