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新型コロナウイルス感染症対策としての在宅勤務-従業員が負担した経費の払戻しについて

6.11.20

概要
 

イリノイ州法は、特定の条件の下、従業員が業務上負担した経費の払い戻しを雇用主に義務づけています。雇用主がかかる経費の払い戻しを怠れば、イリノイ州法による責任が生じるリスクがあるため、経費精算(返済)規則(reimbursement policy)を定め、書面化し、従業員に返済すべき経費を適時に払い戻すことが重要です。現在も大多数の従業員が在宅勤務を続けており、在勤期間が長引いているからこそ、雇用主が定期的に従業員と連絡を取り、従業員に承認済み経費が返済されるように経費精算請求をするように促すことが大切です。

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により、前例がない数の従業員が在宅勤務をするようになりました。同様に、そのような状況で従業員が業務を遂行するために負担する必要経費もかつてないほどの金額となっています。それが電話・インターネット・、印刷用紙・トーナー経費、またはコンピュータ・モニターやパソコンデスクなど在宅勤務の便宜をさらに向上させるために使われた経費であっても、イリノイ州の雇用主は、州法により特定の経費を従業員に払い戻さなければなりません。

2019年1月1日に、イリノイ州賃金支払集金法(Illinois Wage Payment and Collection Act)が改正され、従業員が業務を遂行するために費やした経費を払い戻さなければならないという新たな条件が雇用主に課されました。改正法(820 ILCS 115/9.5)は、「雇用主は、従業員がその業務範囲で、雇用主のために行う業務と直接関連して、かかる業務を行う際に被ったすべての支出や損失に対して、従業員に返済しなければならないと定めています。」さらに、本改正法は、「必要な支出」を「従業員が雇用上の任務を遂行するために必要とし、雇用主の主要利益のために生じるすべての合理的な支出または損失」と定義づけています。本改正法に従い、従業員は、経費を支払ってから30日以内に経費を裏付ける関連書類を添付した経費報告書を提出しなければなりません。ただし、雇用主は経費精算規則によりこの提出期間を延長することができます。従業員が経費を裏付ける書類をなくしてしまった場合またはそのような書類が存在しない場合、従業員は、領収書に代わる宣誓書(署名したもの)を提出することができます。

さらに、本改正法で注目すべき重要点は、(i) 雇用主が経費精算規則(書面による)を設けておらず、(ii) 従業員が同規則に従っていない場合は、従業員には経費の返済を受ける資格がないということです。従業員自身の不注意、通常の摩損による損害または盗難損失(雇用主の不注意によるものは除く)が原因で経費を裏付ける書類を提出できない場合については、雇用主による経費返済の義務は生じません。また、雇用主が従業員にかかる経費負担を許可もしくは要求していない場合、あるいは雇用主が経費精算規則を遵守しなかった場合も、本改正法による雇用主の責任は生じません。最後に、同規則でかかる必要経費に関して、雇用主が、無返済または僅少金額の返済について規則を定めていない場合に限りますが、返済金額について具体的なガイドラインを明記している場合は、雇用主は、ガイドラインで指定される金額の超過分を返済する責任は負いません。

従業員は、在勤期間が長引き、自宅で業務を行う上で様々な経費を負担している可能性がありますが、現在のような状況に置かれているからこそ、従業員が雇用主の経費を負担していないか定期的に確認し、経費精算報告書の提出を促すことが雇用主にとって重要となります。また、自社の経費精算規則がイリノイ州法を遵守しているかを確認するよい機会となるはずです。

イリノイ州賃金支払集金法(Illinois Wage Payment and Collection Act)または同法が貴社の経費精算規則に与える影響について、何かご質問がございましたら、貴社の担当弁護士までご連絡ください。

© 2022 Masuda, Funai, Eifert & Mitchell, Ltd. All rights reserved. 本書は、特定の事実や状況に関する法務アドバイスまたは法的見解に代わるものではありません。本書に含まれる内容は、情報の提供を目的としたものです。かかる情報を利用なさる場合は、弁護士にご相談の上、アドバイスに従ってください。本書は、広告物とみなされることもあります。