著者:ジェシカ・トゥーリエ(シニア・パラリーガル)
ペルフルオロアルキル化合物とポリフルオロアルキル化合物は、環境の世界において、総称「PFAS」として知られる「永遠の化学物質」であり、1940年代から利用されてきた人工化学物質です。この物質は、時間の経過とともに、土壌・水中・空気中に漏れ出すことがあります。そして、PFASは、ノンスティック加工調理器具、クリーニング製品、撥水加工が施された衣類、一部の化粧品、防汚加工が施されたファブリックなどに含まれています。また、接着剤、建築材料、泡消火薬剤などの多くの物質の製造や医療機器にも使用されています。
ヒトは、汚染された食品や飲料水を介してPFASにさらされます。PFASの分解には時間がかかるため、ヒトはPFASに長期間さらされる可能性があります。PFASの利用は2000年代初頭から減少していますが、新たなPFASの生産が新たな脅威となっています。甲状腺の問題、癌、肝臓や免疫系機能のダメージ、生殖機能の問題など、公衆衛生が懸念される「永遠の化学物質」を原因として身体に生じる有害な影響が複数存在します。PFASにさらされる可能性のある製品、土壌、飲料水の種類を含め、ヒトがPFASにさらされた場合の健康への影響の度合を知るための研究が行われていますが、様々な製品や環境に応じて多種のPFASが存在するため、研究者は無数の課題に直面しています。
National Institute of Environmental Health Sciences(米国国立環境衛生科学研究所)、EPA(米国環境保護庁)およびCDC(米国疾病管理予防センター)は、PFASにさらされることによる健康上の影響、環境の中でPFASがどこでどのように移動しているか、その特徴を明らかにし、理解するため積極的に研究しており、PFASを特定・検出・測定し、最終的に除去または破壊する技術の開発に努めています。最近では2024年7月に、EPAが特定のPFASを、懸念される化学物質および認識された環境状況(REC: Recognized Environmental Conditions)として追加しました。不動産の購入者または賃借人は、不動産物件について適切な環境調査を行うことをお勧めいたします。
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