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ニュース&イベント: クライアント・アドバイザリー

トランプ大統領の布告修正により、非移民就労ビザ(H-1B, H-2B, J-1, L-1)発給の停止・制限が発表される

6.23.20
関連業務分野 移民法

2020年6月22日、大統領は、(2020年4月22日に署名した)布告第10014号(「本布告」)を修正し、それにより本布告の効力が延長されました。本修正により、世界中の米国大使館・領事館で処理される特定ビザの発給が停止されました。さらに、本布告の効力がH-1B、H-2B、J-1、L-1非移民就労ビザにも拡張され、2020年6月24日から、かかるビザを取得するための新規ビザ申請に対するビザの発給が停止されます。本布告の前文で、大統領は、コロナ・パンデミックにより厳しい経済的打撃を受けたために、このような制限措置を取るに至ったと説明しています。しかし、外国人労働者により米国経済の回復が脅かされるため、外国人労働者の入国を2020年12月31日まで制限することで、米国人労働者の雇用機会を拡大できるという大統領の判断は誤っています。

すでに米国議会は、外国人が米国就労ビザの取得資格を認可する上で非常に厳しい必要条件を設けています。そして特にL-1ビザについて言及すれば、L-1ビザは米国国内に雇用機会・仕事を作り出そうとする多国籍企業や投資家達が利用しているビザです。そのような事実からも、大統領の理論が誤っていることがわかります。今回の本布告修正は、雇用機会の拡大をサポートするビジネスにとって、現時点で米国に定着する機会を閉ざし、現在L-1ビザ取得資格を持つ会社が、経営幹部、マネージャーまたは同社の製品や米国ビジネスに関する詳しい知識を持つ個人を新たに派遣する能力を制限し、すでに困窮している経済状況の回復を願い奮闘し続けるビジネスの成長・機会・拡張を妨げることになります。

本布告は、他に実施された渡航制限からもわかるように、米国国土安全保障省(U.S. Department of Homeland Security)が60日置きに本布告内容を審査し、修正することを許可しています。しかし、裁判所が強制命令を出さない限り、連邦政府が、本布告による制限を緩和する措置を取るようには見受けられません。本布告内容に含まれる特定の条項を、次のようにまとめてみました。

本布告の影響を受けるのは、どのビザですか?

本布告は、次のような非移民ビザを新たに申請する場合の発給を制限します。

  • 非移民者: H-1B、H-2B、J-1 (インターン、研修生、教師、キャンプカウンセラー、オペア(au pair)または夏季就労プログラムに参加する外国人)、L-1A、L-1Bおよびビザ申請者が帯同する、またはビザ申請者に合流するために後日渡米する扶養家族(配偶者・子供)

本修正により、(2020年4月22日発表済み)本布告が適用される、次のようなビザ発給手続における制限が拡張されます。:

  • 移民者: 移民就労ビザ申請者とその家族。ただし次のような申請者は対象外となります。
  • 米国市民の配偶者と未成年者である子供
  • 新型コロナウィルス感染拡大の状況下で、エッセンシャル業務に従事する医師やヘルスケア・ワーカー
  • 軍隊の所属者とその家族
  • EB-5移民投資家ビザ
  • 合法的永住権者(グリーンカード保持者)

米国移民者に対する制限の詳細情報については、当事務所のクライアント・アドバイザリー (link) (2020年4月23日発行)をご覧ください。

本布告は、H-1B、H-2B、J-1、L-1A、L-1Bビザ(保持者)および現在米国に在住する同ビザ保持者の扶養家族にどのような影響を与えますか?

本布告の制限対象となるビザで、現在米国に在住する非移民者は、米国に合法的に滞在し、働き続けることができます。後述のように、本布告の制限により、かかる非移民者がアメリカ国外(海外)に渡航できるか否かは明白ではありません。ですから、H-1B、H-2B、J-1、L-1非移民者ビザを現在所持する外国人は、ビザによる滞在資格(status)が有効であることを確認し、期限が切れる場合は米国移民局に延長手続の嘆願書や申請書を提出できるように、ビザまたは移民関連文書の有効期日を監視することが重要となります。J-1ビザに関する申請書類の提出先は、米国国務省です。

このような新たな制限措置には例外がありますか?

本布告には、次のカテゴリーに該当する個人は、渡航制限の対象外であると定められています。

  • 米国食品サプライチェーンにとって不可欠な業務を提供するために米国への入国を意図する場合、および、
  • かかる個人の米国への入国が、米国国務省または米国国土安全保障省の判断により、国益であると認められた場合。

本布告の制限対象となるビザの保持者でも、ビザが有効である限り、引き続き渡航することは可能ですか?

本布告で定められる条件は、その発効日(2020年6月24日)に米国外に滞在し、有効な米国ビザを持たない個人だけに適用されるものです。たとえば、(パスポートにより証明される)有効なL-1Aビザを保持するマネージャーが、現在米国外に滞在していて、米国に戻る場合は、米国への入国が制限されることはありません。しかしながら、本布告修正が適用されるべきビザの保持者であっても、かかる制限が実施されない状況があることについて、米国税関・国境取締局(U.S. Customs and Border Protection)が完全な情報に基づき適切に対処できるようになるまでは、現在米国に滞在する外国人が、海外に渡航することはお勧めできません。以前に同様の渡航制限が命じられたときには、複数の連邦政府機関内で的確なコミュニケーションが取られておらず、法律が正しく適用されなかったことがあります。今回もそのような結果になりかねません。

本布告の制限対象となるビザの保持者が、現在保持している有効なビザの有効期限が切れるときに更新することができますか?

本布告では、このような点については具体的に取り上げていません。しかし、制限対象のビザの保持者であっても、現在有効なビザを保持していれば、ビザ更新のための海外への渡航は、本布告で許可されるという報告が出されています。このような点については、今後、政府機関のほうから正式なガイダンスが発行されることが期待されます。

カナダ人は、米国に入国する際にビザを必要としませんが、かかる制限措置は、カナダ人にも影響しますか?

本布告では、この点についても触れていません。しかし、カナダ人は、ビザ取得要件から免除されているという理由により、カナダ人が今後米国に入国できるか否かという点では、特に影響はないように見受けられます。前項と同様に、かかる点についても、連邦政府からガイドラインが発行されるのを待つ必要があるでしょう。

本布告による措置の発効日および解除日はいつですか?

本布告は、2020年6月24日12:01 a.m.に発効し、2020年12月31日に失効します。しかし、必要とみなされれば、大統領が、本有効期間を延長することが可能です。

すでに触れましたが、本布告の修正内容には、不明な点/内容が多く、分析して詳細を確認するには時間を要します。本件に関する特定の質問事項は、近日中に連邦政府から追加的ガイドラインが発行され、さらに明確になるはずです。

追加的ガイドラインが発行されましたら、本件に関する最新情報として、クライアント・アドバイザリーによりお知らせいたします。2020年6月22日に発行された本布告については、こちらを (link) ご参照ください。

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